アンチ中国製品の男、中華スマホを語る

どうして中華スマホは台頭したのか

2018年04月06日 19時01分

中国メーカーが台頭する前まで、中国市場を席巻していたのは外資系メーカーの携帯電話やスマートフォンでした。
 
2010年頃、iPhoneの大ヒットに便乗し大成功したのが「Xiaomi(シャオミ)」です。
iPhoneを模倣した、高機能、低価格端末が売れに売れました。いかにも中国らしい戦略。
こうしたやり方が中国メーカーの嫌われるところでもあるのですが、シャオミはスタイリッシュで高機能、
コストパフォーマンスに優れたスマートフォンを発表し続けました。
 
また、インターネットを通じて販売網を拡大するなどして、完全にアップルの牙城を崩したのでした。
シャオミは2015年まで中国のスマートフォン市場でナンバーシェアをキープしていましたが、現在はファーウェイを始めとするメーカーにシェアを奪われ、
中国市場で第4位のシェアにとどまっています。
 
OppoとVivoの台頭で沸く中国スマホ市場
シャオミがスタイリッシュで高機能、コスパの高さで成功したのであれば、「Oppo」と「Vivo」は、若者を中心とした「SNS」需要に対応した製品を
リリースすることで成功をおさめました。
 
この両社の特長は「カメラ」。
リアのメインカメラよりもセルフィー用のフロントカメラを高性能化し、さらに表情認識や、光と影を自動的に最適なバランスに調整する
ビューティー機能を搭載。SNS好きの若者の心をつかみました。
 
また、中国メーカーは新しい技術を惜しげもなく、新製品に投入することでも人々の心をつかみました。
特にOppoが導入した「VOOC」という急速充電システムは、従来の充電器の4倍と言う速さで充電することを可能にしました。
「30分で75%」のチャージを可能にした「VOOC」は、セルフィー用高性能フロントカメラとともに、多くのスマホユーザーを惹きつけました。
 
さらにOppoは、中国各都市に実店舗を展開しました。主要都市ではそのイメージカラーであるグリーンが、至る所で目に入ってくるほどです。
アナログ的手法ですが、実機に触れることのできる場所をユーザーに提供することで、製品のクオリティーをアピールすることに成功したのです。
 
サムスンやアップルが中国スマホ市場でのシェアを失っていった原因は、中華スマホとの価格差だけではなく、
このようなテクニカルな面が大きいように思います。
 
中国のメーカーには、その製品に革新的技術への挑戦が見て取れます。
サムスンやアップルのモデルが見劣りするということではなく、ユーザーが求めていた機能への答えが製品にしっかり落とし込まれている。
サムスンやアップルがシェアを落としていった原因には、「何か代わり映えしない製品」という消費者イメージがあったのかもしれません。
 
中国のメーカーは、ユーザーのニーズに応える形で革新的な技術を投入し、彼らの心をつかんだのです。
 
もちろん中国のメーカーにとって「地の利」があったことは否めません。
中国はスマートフォンパーツの多くを生産しているパーツ供給基地でもあります。
中国という巨大市場をバックに製品を大量生産することにより、生産コストの大幅削減が可能…海外メーカーには到底できないことです。
 
ただ、それ以上に新しい技術への探究心とチャレンジ精神を持ち合わせていたことが、中華スマホが台頭した最大の理由でしょう。
 
私の中国製品に対するイメージも、正直、だいぶ良くなってきました。